幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜


「それに、俺としてはありがたいくらいだし」



ありがたい……?



一体何を言ってるの。棗は…?


「だって、これで花音は誰のものかって、全校生徒に知らしめる事が出来たんだからな。感謝してるよ。神谷」




「ッぅ〜〜!」



悔しそうにあたしたちを睨み、走って校舎に入っていった紗月ちゃん



……終わった?



あたし…棗と別れなくてすむの……



よかった……



本当によかっ……


「花音、ちょっと来い。」


――グイッ


「えっ?!!」




あたしの腕を引っ張って、野次馬をかき分けどんどん進んでいく



「ちょっ、ちょっと!棗!?」


いくら話しかけても何も言わない。



校舎裏まで何も話さず、ただ引っ張られる


「ねぇ!棗?どうし……」


――ドンッ



「痛っ!」



壁におもいっきり押し付けられた


背中が痛む


「ちょっと!何す…ん゙っ!!」



無理やり塞がれた唇



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