幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜
屋上に上がると、授業が始まる前だということもあり、誰一人見当たらなかった…
心地よい風があたしの髪を撫でる
壁に背をつけその場に座った
美羽もそんなあたしの横に何も言わずに座り込んだ
「花音…?話しにくい事なら別に…」
「うぅん。美羽に聞いてほしいの」
あたしの決心の意味も込めて……
あたしは、棗と別れる前日のことを全て話した。
棗の両親が家に来たこと……
そして…頭を下げながら別れてほしいと言われたこと―……
全て話しきった時には、意味も分からず涙が出た
「……花音。ツラかったね」
ずっと隣で何も言わず話しを聞いてくれた美羽
そんな美羽の優しさに、また涙が溢れた