幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜


「……何してるのよ」


「いや、その……」



目を向けたのをすぐにふせ、掲示板から距離を取っていた


不安なんだもん……


掲示板を見るのが、凄く怖い……


「大丈夫。自分がやってきたことを信じなきゃ」



また強く握って美羽の手の温かさに、心が落ち着いてきた


「う…うん……」



もう一度、視線を掲示板へと上げた


1位から50番まで、順番に張り出されている紙


[1位 二組 496点 伊沢棗]



1位はやっぱり棗。



それからゆっくりと左に視線をずらしていった



……あたしの名前は……



「……あった………あったっ!!」



20番のところに、はっきり書かれているあたしの名前



「美羽っ!」


「花音!やったね!!」




ギュッと抱きついてくる美羽



よかった!ちゃんと上位者に入れた




これで少しは棗の両親に…



そう思っていたその時、


「花音っ!!」




焦ったように走りよってくる蓮の姿



「どうしたの…?そんなに急いで?」



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