幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜
「あっ、そうだ。」
「え?」
突然棗が立ち上がった
「ちょっと待ってて」と言ってどこかに行ってしまった
……は?
一体…どこに……?
もう日も下りてきて、時計の針は6時を指している
棗…。
やっぱりなんか辛そうだった―…
なんか笑ってるのに、時々、思い詰めたような顔をしていた……
やっぱりさっきの『伊沢の名前なんていらない』って言ったのは……
「ねぇ?」
やっぱり……
「ねぇってばっ!」
ふへっ!?
頭上から聞こえた声に頭を上げた
「はい?」
うつむいてた頭を上げると、いつの間に立っていたのか、若い男の人が2人ニッコリ笑みを浮かべながら立っていた。
「あの…?何か?」
「キミ、高校生だよね。」
へ?なんで知ってるの?
……って、あたし今日学校から直接来ちゃったから制服のままだったんだ?!
でも、だからって何なの?
やっぱり制服ってヤバいわけ?
「1人?」
「いや。その…友達と」
彼氏って言いたかったけど、今は彼氏じゃないし、言えなかった……