幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜
「棗はお見合いなんて勝手にしちゃって、あたしのこと、吹っ切れたかもしれないけど!だけどっ!だけどあたしは……」
ギュッと手を握りしめたまま、うつ向く
そのまま口を閉じた
悔しい……
泣くしかない自分が悔しい―…
――ふわっ
えっ……
その瞬間、包まれた温かい体温
「ごめん。」
小さく耳元で囁かれた言葉
そんな優しい体温を確かめるように、あたしは棗の背中のシャツをギュッと握りしめるように抱きついて…泣いた
「あぁ―…目が腫れるかも」
「悪かったって」
そう言って、さっき買ってきた缶ジュースを渡された
その缶ジュースを目に当てた
ひんやりした冷たさが気持ちいい―……