幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜
「ちょっと!おじさん?!」
「親父?!」
頭を下げる姿を棗も初めて見たのか、2人して焦った
「頭上げてくださいよ。」
その言葉にゆっくり頭を上げた
「花音ちゃん」
「……はい?」
「これからも棗のこと、よろしく頼むね。」
優しい笑顔のおじさん
「…っ…はいっ」
そんな言葉にずっと我慢していた涙が溢れてきた
「あれ?わたしが、泣かせてしまったかな?」
ははっとが冗談混じりに言った
「そうかもな。」
棗もクスッと笑みを溢しておじさんを見た
違うよ……これは嬉し泣き。
そう言いたいのに、言葉が出ない
「んん―。じゃあ、おじさんが抱きしめてやろう」
……へ?
おじさんが腕を広げ、待ちの姿勢を見せる
「なっ!それは親父の役目じゃねぇ―んだよ!」
――グイッ
「きゃっ!!」
棗の方に引っ張られ抱きしめられた