幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜
☆おまけ☆
[花音Side]
「……あの、そろそろ離して?」
さっきから後ろで抱きしめたままの棗
「なんで?」
「いや…、なんでって…」
いくらここが人通りから離れた公園でも、たまに歩行者が公園脇の歩道を通る
そしたら確実にこの状況は丸見えでしょ?!
「と!とにかく離して!」
「……そんなにイヤ?」
「……えっ」
耳元で聞こえた悲しそうな声
「…そんなに俺に抱きしめられるのイヤ?」
「そ…そうじゃなくて…、棗に抱きしめられるのがイヤなわけじゃなくて、その…場所が…」
さっきまで強気だった言葉も、棗のあんな悲しそうな声を聞いてしまったら、しどろもどろになってしまう
「…ふぅ〜ん。場所の問題かぁ〜」
へ…っ?
バッと首を回して棗を見ると、ニヤリと笑った棗の姿