幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜


校舎を後にして、いつもの道を帰った



「……なぁ。」



「なに?」



「……蓮と花音は?」



聞くべきかどうか迷ったが、やはりどうしても気になった



「あたし達より先に帰ったみたい。」



そう言って、ちょっと悲しそうに俺に笑いかけた



やっぱり一緒に帰ったのか……



「よかったな……。あいつら両思いだったみたいだし」



本当はそんなこと、全然思ってないくせに……



「強がりだよね―…。棗って……。」



「っっ!!」



何でも見透かされる……



「じゃあさ。あたしと付き合っちゃう?」



「………へ?」



突然言われた言葉に、つい足を止めてしまった



「なに止まってんのよ」



冷たくそう言い放ち、どんどん先に歩いていく美羽




< 57 / 376 >

この作品をシェア

pagetop