幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜
俺は仕方なく、花音の部屋の前まで来た
ノックをする手が震える
「は―い」
中から聞こえる花音の声
俺はゆっくりドアを開けた
――ガチャッ
「……棗!?」
予想通り驚いた顔を、俺に見せる花音
「な、なんで!?」
「いや…。おばさんがクッキー食べてけって……」
「あっ…そっか……」
そう言って黙り込んでしまう俺たち
ど…どうすればいいんだ……?
「あら。まだ中に入ってなかったの。」
いつの間にか俺の後ろに立っていた、花音のおばさん
「ほらほら。入って。」
「ちょっとお母さん!あたしの部屋なんだけど!!」
「いいから!このままここに立たしとく気?」
「そ…それは……」
「じゃあ私は夕飯の買い物に行って来るから。棗くん、ゆっくりしていってね―」
そう言って俺を花音の部屋に押し込み、買い物に行ってしまった