幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜

伝えたい-棗Side



「あれ?棗じゃん。」



にこやかに笑いかけて近づいてきた蓮



まるで昨日のことが嘘だったかのような話し方



「何?誰かと待ち合わせ?」


「あっ…あぁ―…」



なんとなく美羽だとは言いづらかった



「ふぅ―ん。俺は今から花音とデート♪」



鼻で笑ったかのように俺を見る




「なっ!!」


「あっ。来たっ。花音――!!」



蓮がそう呼ぶと、嬉しそうに走り寄ってくる花音の姿が見えた



「ごめ―ん。遅れちゃっ……」




そこで俺がいるのに気づいたのか、何も言わなくなり、うつ向いた



「よし。じゃあ行くか。」



そう言って花音の手を当然のように握る蓮



――ズキッ




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