きみに愛を唄う







「~~~~・・・、」



唄が終わったのだろう、その歌声も、アコギの音も鳴り止んで、ただその残響だけが、この静かな商店街に響いていた。



――パチパチパチ



思わずした拍手に、そうやくその人が顔を上げた。


そしてその拍子に、その人が被っていた、ダウンの下に着ていたであろう黒のパーカーのフードが外れ、金髪の髪が零れ落ちた。




「――っ」




思わず、息が詰まった。


真っ暗なはずなのに、その金色は光り輝くようで。


そう、まるで・・・、




“月”のようだと、思った――。




「・・・おにーさん、

いつも此処でストリートしてんの?」



緊張で震えそうになる声を必死に耐えて、そう声を掛けた。









< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop