Painful Love※修正完了※
「私立は金銭的にもキツいと思って行くつもり無いです」
ハッキリ答えれば、事情を知っている担任はあぁ……とバツが悪そうな表情に。
「……出来れば公立で、家から近い市立大に行きたいです」
「あぁ。斎藤ならもう少し頑張れば……何になりたい、とか将来の夢はあるか?」
「……あんまり…」
夢、とか分からない。
考えて見た事も無かった。
ただ、普通に高校を卒業して、大学を卒業して、
OLでまったり生きていくだろうなぁとぼんやり思っていた。
「まぁ、大学に行ってからまたなりたい物に気付いたりもするからな。
でも……絶対に大学に行きたいんだったら一応私立も受けておく事をオススメするぞ」
先生は机の片隅に置いてあった分厚い資料を捲ってわたしの方に見せる。
「ここは少し離れた市だけど奨学金制度……特に不慮の事故で両親等を亡くした学生を奨学生としてくれる制度があってな?
公立大学と変わらない学費で勉強出来るから……一応考えてみなさい。資料請求、しといてあげるから」