Painful Love※修正完了※

「……うん」

立ち上がってロッカーへと歩いて行きながら聞く拓斗。


私もその後ろに続く。


「待っててくれたんだ」

放課後になってから面談は2番目でかなり時間がかかってしまって。


帰る約束なんてしてない。


ただ何となく、一緒に帰っていただけだから、

今日はてっきり先にもう帰ってるかと思ってた。

「……希望、どこに出した?」


ためらいがちに聞かれた質問。

初めて、進路の事を聞かれた。

高校1年の時に1回聞かれたけれど、お父さん達が亡くなって、


学校でも進路の話が良く出されるようになって受験が近づいてきても拓斗はわたしの進路については聞いてこなかった。

もしかしたら聞きづらかったのかもしれない。

高1の時と状況が変わってしまったから。

でもね、あの頃とわたしの希望進路は変わってないよ。


「市立大にした」



< 106 / 241 >

この作品をシェア

pagetop