Painful Love※修正完了※
少し間を開けて、私を落ち着かせるように言葉を紡いだ。
そして、軽く頭を下げてそのまま出ていった。
―――拓斗には幸せになってもらいたいからです。
残った私は、時雨さんの背中が消えていってもまだ茫然とその方向へと視線を向ける。
頭の中には、たった今聞いた消えた理由。
答えになってるのかどうかは微妙だし、
結局拓斗の事が好きなのかは答えてくれなかった。
「な……んだ」
思わず独り言を呟いてしまう。
結局、
あの2人はきちんとお互いの事を想い合ってるんじゃない。
それなのに、時雨さんはわざわざ離れる事を選ぶの?
時雨さんの考えが私には理解できなくて胸の中に溜まっていく。
きっともう、拓斗と時雨さんが会う事は無いと思う。
それは私にとってとても喜ばしい事で、安堵してるのに。
なんだろう?この罪悪感は。
……私はずるい。
あの時、付き合って貰う時にした約束を無かった事にしようとしてる。
それでも離れたくないから。
拓斗が好きだから。
拓斗の傍にずっと痛いから……
だから、この罪悪感を胸に秘めながら、私はずっと拓斗の傍に居続けたい。