Painful Love※修正完了※
だからわざわざここまで来てくれたんだ……。
「来たのは良いけど誰も居なくてさ。叔母さんは?」
「わたしがここを出る前に出かけて行ったの。って…ここまでどうやって上がって来たの?」
バックから合鍵を探しながら聞く。
下で鳴らしたインターホンに、誰も出ないのだから
エントランスからマンション内へと入る自動ドアは開かないはず。
拓斗はわたしの背後に移動していて、クスっと楽しそうに笑ったのが聞こえた。
「管理人さんがさ、入れてくれた。まだあの管理人さんなんだ。ほら、居留守使う」
居留守を使う管理人さん……あぁ!
「居るのにカーテン閉めてる?」
「そ」
エントランスの呼び出しボタンの近くに窓があって、そこから管理人さんの居る隣の部屋に繋がってる。
管理人さんが居る間はカーテンが開いていて管理人さんが居るのが丸見えなんだけど……
その管理人さんはいつも居るくせにカーテン閉めちゃってるんだよね。
私が上がってくる時も確かカーテン閉まってたような……。
「ドア開けてくれて、居なかったらここに来いよって言ってくれた」
「管理人室に居れば良かったのに」
「管理人室に居てもきっとカーテン開けさせてくれないから、時雨が帰って来たの分からないだろ?」
あ、そっか。と、声を出さずに納得。