Painful Love※修正完了※

だからわざわざここまで来てくれたんだ……。

「来たのは良いけど誰も居なくてさ。叔母さんは?」


「わたしがここを出る前に出かけて行ったの。って…ここまでどうやって上がって来たの?」

バックから合鍵を探しながら聞く。


下で鳴らしたインターホンに、誰も出ないのだから


エントランスからマンション内へと入る自動ドアは開かないはず。


拓斗はわたしの背後に移動していて、クスっと楽しそうに笑ったのが聞こえた。


「管理人さんがさ、入れてくれた。まだあの管理人さんなんだ。ほら、居留守使う」


居留守を使う管理人さん……あぁ!



「居るのにカーテン閉めてる?」


「そ」


エントランスの呼び出しボタンの近くに窓があって、そこから管理人さんの居る隣の部屋に繋がってる。



管理人さんが居る間はカーテンが開いていて管理人さんが居るのが丸見えなんだけど……

その管理人さんはいつも居るくせにカーテン閉めちゃってるんだよね。


私が上がってくる時も確かカーテン閉まってたような……。

「ドア開けてくれて、居なかったらここに来いよって言ってくれた」



「管理人室に居れば良かったのに」


「管理人室に居てもきっとカーテン開けさせてくれないから、時雨が帰って来たの分からないだろ?」


あ、そっか。と、声を出さずに納得。







< 193 / 241 >

この作品をシェア

pagetop