Painful Love※修正完了※
「暑かったでしょ?上がって」
ガチャ、と音がして素早く鍵を抜くとドアを開ける。
後ろから拓斗が近付いてきて、わたしはそのまま中に入る。
靴を脱いで上がれば、拓斗の方を振り返らずそのままリビングへ直行した。
ドアがしっかり閉まる音と、
拓斗の「お邪魔します」と言う控えめな挨拶を聞きながら適当にバックを置き、冷蔵庫へ。
「麦茶で良い?」
リビングへ入ってきた拓斗に聞けば、拓斗は頷くとそのままダイニングテーブルへと座った。
「……良かった。もう行ったかと思った」
麦茶を拓斗に渡せば、それを受け取り言われた。
私は何も言わずに正面の席に座る。
もうすぐ、行くよ。明日。
目の前の麦茶を見つめて、心の中で呟く。
明日帰ること、拓斗に行ったら拓斗はどうするかな?
行かせない、なんて言ってくれる?
でも、大学があるから、
帰らなきゃいけないから帰らせてくれる?
なんて、試すような事、思うだけでわたしは出来ないけれど。
「ねぇ、話って何?」
少しの沈黙も嫌で、
話題をわたしから切り出す。
早く拓斗の用事を聞いて、話をして、帰って貰わなきゃ。
拓斗は麦茶に口付けた後、
ゆっくりとグラスを机の上に置いた。