Painful Love※修正完了※
「幸せに……?」
「うん。時雨とずっと一緒に居ることが、俺の幸せ……です」
「………」
「これで焦らず、就活して欲しい……けど、出来ればこっちの方から通える所に勤めて貰いたい……です」
「なん、で敬語なの?」
「恥ずかしいから」
照れてるみたいで
顔を上げたわたしと視線が合う前に逸らしてしまう拓斗。
「それと、これ……」
またポケットから取り出す、物。
これは、何?って聞かなくても、見ただけですぐに何かなんて分かる。
同じように滑らせるけど、ソレには手が伸びない。
分かっているから。
中に何が入っているのか。
「待ってっ……佐奈子さんは?」
佐奈子さんは、どうなったの?
渡す相手が、違うでしょう?
「佐奈子とは時雨が町出てった後に婚約破棄した。で、その時に佐奈子が時雨と会った事や出てった事……理由も教えてくれた」
わたしは拓斗を見たまま言葉が出てこない。
わたしがこっちへ戻ってきた後のこと。
佐奈子さんとの婚約……破棄……しちゃったんだ。
あんなに拓斗が好きだと、
話す言葉が、
顔が、
雰囲気全てがそう言っていたのに。