Painful Love※修正完了※
拓斗からのプロポーズ。
「良いの?わたしで……」
「時雨じゃないと駄目。時雨が俺を幸せにして?」
それを聞いた瞬間、
この少しの距離も拓斗と離れているのがもどかしくて
床を蹴って拓斗の胸に飛び込んだ。
拓斗は咄嗟に両手を広げて受け止めてくれる。
クールマリンの匂いに包まれる。
大好きな匂い。
大好きな……温もり。
「……貸して」
ゆっくり囁かれて、手に握った指輪を拓斗に渡す。
わたしの手を掴んで、ゆっくりと……
薬指に嵌められた、指輪。
近付けて見れば、とても綺麗で。
拓斗の胸に顔を押しつけた。
「……いきなりすぎ」
「ごめん」
「……拓斗の、指輪は?」
「あるよ。ほら」
拓斗は、手のひらの中の指輪を見せてくれる。
同じデザイン。
だけど……わたしよりも何周りか大きな指輪。