Painful Love※修正完了※



シーツをギュッと握り締める。


「それは……」





「拓斗、わたしの事は気にしなくて良いんだよ。約束も忘れて、わたしの事も忘れてほしい。
佐奈子さんと、幸せになって欲しい」


3年間、きっとわたしの事を気に掛けてくれていたんでしょう?

その気持ち、嬉しかった。

ゆっくり手をついて、ベットから降りる。


「時雨……」

呟くような呼び掛けに、わたしは拓斗の隣まで行き、見下ろした。


見上げてくる拓斗の顔は、さっきまでの冷たい瞳では無くて。

行くな、と縋り付いてくるような、不安げな瞳。

……こんな顔にもわたしがさせてしまっている。



< 45 / 241 >

この作品をシェア

pagetop