Painful Love※修正完了※
その質問には、答えられない。
「……拓斗。本当にありがと」
代わりに今までの感謝の気持ちを。
わたしは背中に視線を感じながら、足早に拓斗の家を後にした。
「……匂い、付いてる」
歩きながら自分の体から拓斗の匂いが香っているのが分かる。
それもそうか。
あれだけギュウギュウに抱きしめられて、密着して、ベットにまで押し倒されれば。
匂いに包まれていて、傍に拓斗がいるような気がする。
耳元で、拓斗の声が聞こえる。
抱き締められた感触をまだ覚えていて、まだ抱き締められているような気になってしまう。
それを振り払うように足を必死に動かした。
―――拓斗に触れられた所は
まだ熱かった。