Painful Love※修正完了※
「なぁ、時雨。今年もやっぱり温泉かなぁ」
テーブルでノートパソコンを開き宿泊先の検索をしていたお父さんがわたしに話し掛ける。
机の上には会社で使うらしいクリップで纏められた資料の他に
観光名所と旅館の写真がでかでかと乗ったパンフレットが数枚置かれていた。
わたしはたった今帰ってきたばかりで、
制服姿のままお父さんの正面でバックから弁当箱を取出しながらそのパンフレットを見やる。
帰ってきたばかりで、いきなりお父さんから話し掛けられて流れが分からない。
「え、温泉?」
「毎年恒例の今年の旅行」
そんな時期がもう来たのか……。
つい数ヶ月前に旅行に行った気がするのに……と思いながら、頭の中で温泉を思い浮かべる。
「……暑くない?」
想像できたのは程よい温度の露天風呂にまったり入っている自分ではなく。
汗をダラダラかいている自分だった。