Painful Love※修正完了※

「おー!頼もしいな、安心だ」


ポンポンと拓斗の肩を叩くお父さんにムッとなる。

そんな、たった数日一人になるだけなのにわざわざ拓斗にそんなこと言わなくても。


「拓斗に頼まなくてもわたしは一人で大丈夫だから!」

「そうか、じゃあな」


ハハハ、と笑いながらドアの向こうへと出ていく。


「「いってらっしゃい」」


“時雨のこと、頼むな”


この言葉は、お父さんが良く拓斗に言っていた言葉だった。


どこかに拓斗と出かける時とかに、言うフレーズ。

小さい時から言われて聞き慣れていた言葉で、

わたしは別に軽く捉えていただけだった。

「今回時雨は一緒に行かなかったんだ」



見送った後、リビングで勉強道具を取り出しながら拓斗が口を開く。

「うん。だってこんな暑いのに温泉は辛いもん」


「うわー有り得ない。連れて行ってくれるって言うんだから普通付いて行くだろ」


「だってお父さん達、わたしが付いていったら『温泉だけじゃ時雨がつまんないだろ』って観光地に連れて行ってくれるんだもん」



気を使わせたくないって言うか……






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