遥かなインド
そんな話をした次の日、松さんは次の街“成都”に向けて旅立つと言った

「このままここにいても何も進まないし、とりあえず次の場所を目指すよ」

そう言うと西安の鐘塔の前でサヨナラを交わした後、松さんは勢いよく自転車を走らせた。
松さんは街中の車のまぎれて次の街へと向かったのだ。
 
ふと松さんと別れた後、私はせっかく中国へ来たのだから長洲を見てみたいと思い中国の広い地図を広げて次はどこへ行こうかと考えていた。

そんな時だった、ふと頭の中に下宿のおばちゃんの声が過ったのだ。
 

 思えばこの中国の旅をする時、下宿を空けるのでしばらく不在になることを伝えに行った時だった。
 その目的も世界一周自転車の旅をしている若者に会いに行くと言うとおばちゃんも喜んでくれた。
 きっとその若者に会えたら私は人生のヒントが見つかるかも!
なんて話してルンルン気分だった。

ふと下宿のおばちゃんはある話しをした。
 
たった一言、あの言葉を再び言われるまでは…
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