遥かなインド
 毎日講義室へ行くと講義ごとに

決められた人間しかいなくて

決められた仲間内でしか話をしなくて

決められた講師がやって来て

決められたストーリーの講義をくり返す。
 
講義が終了すると決められた仲間内とかでお弁当出したり
“おい!学食行こうぜ”

なんて男子数人がまとまって学食へ向う。
いつまでも子供で一人で行動できないのかよ?
カン高い声や人の会話の中で悪口ばかり言う人たちにすごく嫌気が差していた。その場の近くにいるだけで嘔吐を感じるくらい私は心身共に気持ち悪くなっていた。

かくいう私は大学の近くに借家があったので家に戻りそこで一人昼食を取っていた。
 こんな下らない日々に何故人はお金を掛けてまでその場に留まるのだろう、私も何故此処にいるんだろう。
こんな日々から早く脱却したい。
こんな日々に何の意味があるのだろうか?

 一人昼食を取る度にただ私は生きている

”だけ”

なのだろうかと思うとぞっとする。
ただ食べ物を食べて、ただその場に生きているだけの存在なんて嫌だった。

 アパートに戻っても話す相手もいなく、サークルに参加しても小馬鹿に後ろ指差され、そんな日々に飽き飽きしていた。
もう限界だ、もう私は自由になりたい。

どこか違う世界へと旅立ちたいと願った。

ふと私は右手にカッターを握り締めて左手に刃の部分を当てていたのだ…
< 2 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop