遥かなインド
 ―この世とサヨナラしようとした。

 生きている価値の無い私サヨウナラ

 この世のゴミみたいな存在サヨウナラ

   サヨウナラ…




ーでも、できなかった。

痛くて哀しくて苦しくて手から沢山血が出てきて、
それ以上深く刃を誘うとすると刃をもっていた手が震えてそれ以上刺せないのだ。

目から大量に涙が零れ落ちて血が出ている手首を伝った…

そんな自分が悔しくて情けなくて死ぬこともできない、
 

 だから私は旅へ出たのだ…

旅をすれば生きている心地がしたのだ。

旅先で出会う人たちは皆親切で面白いし皆生き生きしているし、
私と面と向かって話してくれるしその人たちと話していると大学での嫌ななことなんて忘れられた。
親切な人は食べ物を分けてくれるしご馳走になる時もある。
嗚呼私はなんて幸せなんだと思う時もあった。

このまま私は旅だけして生きていたい。
このまま夢心地でありたいと思った。
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