「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
「確かに政治家は忙しくてボランティア活動に携わる時間が取れないかも知れませんが、でも、よく考えてみると、政治家は、国民の為に働く事を期待されて、国民によって選ばれた人たちなのですから、少しでも時間を見つけて努力すべきじゃないでしょうか。政治家の間が無理であったなら、せめて引退してからは努力すべきでしょう・・・とは言っても、私自身も一時は希望の無い、意味の無い人生を送ろうとしていたので偉そうな事は言えませんが」

話を聞いていた紀恵お婆ちゃんが

「前野さんみたいな政治家や官僚が、たくさんいたら本当に良い国になりそうな気がするけどねぇ・・・実際は、どうなんでしょうねぇ。私らからすると常識はずれのような政治家や官僚も数多くいそうだものねぇ・・・」

紀恵お婆ちゃんの言葉に、みんなも

「そうそう」

と相槌を打って頷いている。

「確かにねぇ。私もボランティアに携わるようになって、日本はハンディキャップのある人々にとっては、諸外国に比べると全体に、やや厳しいかなぁとも感じます。特に政府や国がねぇ・・・少々公務員に優しすぎますかねぇ、この国は・・・」

「それと社会全体が、もう少し余裕のある社会になって、お四国巡りの、お接待の精神のように国民の心が緩やかになればいいのでしょうが・・・私も国の政治家だったので過去を振り返ると、反省するところが多々あります」

と前野は左の手で額を触りながら言った。

理絵は、由紀が前野元官房長官に、覚えていた理由を話た時に、そうだったのかと思い前野を見たが、思い出せなかった。
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