「金剛戦士Ⅱ」西方浄土

スティーブは昨夜モニカが話していた内容を思い出して、なるほど自分の戦闘地域においてはモニカの予想どおりであり、スティーブは急いで、その他の戦闘地域での無機物生命体の落下した地点と遭難船の位置を照らせ合わせて調べてゆく。

昼食を終え、事務総長室で居る李の所へ、補佐官が小笠原東方海域で遭難した海洋調査船の続報を伝えに来て

「現在、救難飛行艇や宇宙衛星も利用して広範囲の捜索を継続中でありまして、幾つかの漂流物と、乗組員と思われる遺体が一名発見されたらしいのですが、収容される残存物が非常に少なく、海洋調査船は、一瞬にして沈んだのではないだろうかと報告されています」

「これは十日ほど前の東シナ海の大型コンテナ船や一ヶ月ほど前に北東太平洋で遭難した自動車運搬船とよく似た状況であり、さかのぼれば同様の遭難事例が、何件か続いているように感じます」

李も、補佐官が言うように、船の遭難に関しては、同じ様な感覚であり、補佐官に遭難事例を数年さかのぼって調査して、結果が出次第、伝えてくれるように指示をした。

午後一時、安全保障会議が開始された。

まず昨日の全体会議で話し合われた、地球に接近して来る彗星や小惑星の対策についての概要が報告され、安全保障会議のメンバーに科学者と天文学者も、それぞれ二名が加わり討議に入った。