「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
今の地球の状況では、現在のペースで人口が増え続けると、やがては食料やエネルギーの需要に供給が追いつかなくなって、近い将来、このままではパンクしてしまうであろう。

パンクしない為には、他の惑星や衛星に入植地を開拓拡大して、人類が生存する為のキャパスィティを大きくするしかない。

将来、他の惑星や衛星の人口が増えた場合に、いかにして人類の平和を維持して発展してゆくかは、大きな課題である。

平和を維持して発展させるには、可能な限り攻撃的な考え方や方策は排除しなければならず、今後、法律など整備してゆかねばならない。

しかし、今は新彗星に、どう対処しようかと話しをしているのであり、未来の人類入植地での惑星や衛星間での戦争を心配するのは、やや飛躍している意見だとも思える。

さまざまな意見が乱立して、どうにも、こうにも収拾がつきそうにない。

科学者や天文学者は、学者としては新彗星の事実のみを客観的に報告して、対処方法は政治的な問題であると口を挟まないが、破壊を前提に話を進めるのには、基本的な彼らの考え方としては相容れられないので、不快感をあらわにする。

彼らにすれば、観測結果からは、どうして、どうみても、ただの彗星に対して破壊ありきの話が先行するのか、それ自体が甚だ不快であった。

李自身も、どのように意見を集約していけばよいのか、判断ができず、多くの意見が続出してきて頭が混乱してくる。

李は午後三時になったところで、少し間を取り冷静に考えてみようと、一旦、休会として、午後四時から再開することとした。

李が事務総長室に一度戻って考えてみようと、補佐官を伴って通路を歩いている後方から、通信本部の連絡員が追いかけて来て
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