「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
「総長、たった今、映像が入ってきたのですが、小笠原東方海域の遭難船の捜索に協力して、宇宙から撮っていたカメラ衛星からの映像に不思議な物体が捉えられたようであります。すぐに、どのような物体が映っているのか確認の為に通信本部まで来ていただけますでしょうか」

と李に伝え、李は、すぐさま向かった。

通信本部に入ると、科学者や軍の関係者が集まり、モニター画面に大きく映し出せれている画像を見ている。

その人たちの中に入ってゆき映像を見上げて、李は

「島なのか・・・島が映っているのか」
と周囲で見ている者に問いかけた。

隣で見ていた科学者が

「島ではありません・・・いや島では無い筈なのですが・・・」

口ごもった後、組んだ腕の左手を顎にあて、言葉を続けて

「小笠原東方海域の太平洋の真ん中で撮られた映像です。この辺りに島など、ある筈も無く。地図で見ても、かなり離れた位置に南鳥島があるのみであり、距離にすると六百キロは離れています」

「海底火山が噴火して突如として海面上に姿を現すという可能性もありますが、今まで、近くに海底火山があるとは考えられていませんし、記録も報告もされていません。
それどころか辺りの水深は六千メートルはあります」

「全く何が姿を現したのか、検討がつきません」
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