「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
札所と札所の間の間隔が詰まっていて、一日で数多くの札所を参拝可能な場所は、四国の平野部分に集中していて、徳島平野、高知平野、松山平野、今治平野、讃岐平野などである。

なかでも徳島平野と讃岐平野は、歩き遍路でも一日で五ヶ寺以上参拝可能な地域が存在している。

六人は昼食を済ますと、五十一番に向かった。

五十一番の門前の駐車場に車を入れようとしたのであるが、いっぱいである。それでも数分待つうちに、二台とも、はいれて、車を降りて歩きながら勇太が

「ここの札所は、すごい賑わいですねぇ」
と言うので、紀恵お婆ちゃんが

「ここは、いつ来ても、人や車が多いのよ」
と言いながら、仁王門に向かって歩いて行く。

「ここの寺はねぇ、街中にあるけど大きいのよ。たぶん松山では一番大きいんじゃない。と言うか、愛媛の札所では一番大きい気がするわ」

紀恵お婆ちゃんの話を聞きながら歩く両脇に、土産物屋さんが並んでいる。

ここまでの札所で、これほどの店が並んでいた所は無い。ここは松山の名刹であり、名所なのだと実感した。

仁王門まで来ると、門には草履が、ぎっしりと吊られてある。

仁王様を見ると、筋骨隆々として、迫力があり、圧倒されるほど立派である。

仁王門を入ると広い境内があり、三重塔が建っていて、周囲の松や鐘楼と見事な調和を見せている。
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