「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
「もしも物体が無機物生命体であるとすれば、緊急事態であり、早急に対策を練り対処せねばなりません。そこで第一の提案として、日本政府に依頼して、物体に向かって戦闘機を派遣してもらい、ミサイルを撃ち込み、物体が無機物生命体であるのかを確認したいと考えております」

「そして自動追尾ミサイルが撃ち落とされて無機物生命体だと判明した場合には、第二の提案として、無機物生命体を撃滅するべく総攻撃をかける事を提案致したく存じます。すでに総攻撃を掛ける作戦案も練られており、提案が決定され次第、申し上げた以上の事柄を即時、実行に移したいと考えております」

李は、作成してあった、提案書を補佐官に持ってこさせて

「連合本部から、提案書を提出致します」

「意見がある方は述べるように願います。もし異存が無ければ採決に移りたいと思います」

誰からも、意見は出ずに、李は、会議場の中を隈なく見回して、もう一度、意見はないのかを問うたが、緊張と不安に包まれている会議場には、誰も意見を述べる者など居なく、沈黙の中、ただ彼らが自分を凝視する視線のみを感じる。

静かに凍てついた会議場に李の声だけが響き

「意見が無いようですので、採決を取ります。私どもの提案に賛成の諸君は挙手を、お願い致します」

誰も手を挙げない者など居る筈もなく、全員が即座に賛成の意思を示す。

李は会議場の全権らに向かって

「異議なしと認め、全会一致で提案を採択致します」

提案が採択されるや否や、提案は即刻、行動に移された。
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