「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
ただちに日本政府に連絡が送られて、依頼していた戦闘機は準備万端整っており、連絡が入ると、すぐに物体に向かって発進して、飛行してゆく。

それと同時に、ミッドウェイ島、アリューシャン列島、サイパン島、硫黄島への戦闘機部隊の集結が指令され、該当する各国の戦闘機部隊が発進準備を整えてゆく。

そして電子ビーム砲搭載衛星が小笠原東方海域上空へと移動が開始された。

また宇宙戦闘機も、すぐに発進可能なように準備が開始され、搭乗員の招集が、まもなく始まろうとしている。

李はモニターのある第七会議室に作戦本部を設置して、各国の準備状況などを確認していく。

そのうちにも日本を発った戦闘機は刻一刻と物体に近づいてゆく。

時間は午後三時を過ぎつつあった。


その頃、試験航海中に、消息不明の日本の海洋調査船の捜索に加わっていた新造電子ビーム砲搭載艦に乗る吉里は、指示により、小笠原東方海域から退避しようと西に向け航行していたが、彼は電子ビーム砲搭載艦の艦橋から歯痒い思いで、東の海原を見ていた。

吉里の乗っている電子ビーム砲搭載艦は試験航海中であり、兵器の儀装が、まだ成されていない上に、隊員も航海用の人員しか乗務していない。その為に敵を見ても、逃げるしかなく、攻撃ができない。

吉里は退避指示の理由を問い合わせ、物体が無機物生命体である可能性が高いのを知っていた。
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