「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
しかし、ゆっくりと検討する時間的な余裕は無く、宇宙での任務に就くためには、やはり宇宙での活動経験が必要であろうという意見が多くて、宇宙での経験の無い真は省き、他に適当な人物が居るか、調査してみようということになった。

そして、ただちに真以外で乗務可能な、宇宙での経験豊富な熟練パイロットは居ないか捜し始めた。

宇宙連絡船や宇宙貨物船、宇宙調査船、宇宙ステーションのパイロットなどから、現在日本に帰還して留まっているのが、分かっている者を抽出してゆく。

そして、その中から宇宙船のパイロット歴が五年以上ある者を選び出してみると、民間パイロットを含めて数十名が現在、日本に居るのが判明した。

更に、この数十名の中から七年以上の経験があり、運動性能の良い宇宙調査船の乗務経験者や平和維持軍の戦闘機の搭乗経験者だった者に絞り込むと、僅かに三名しか居なかった。

そして更に、その三名を独身者に絞り込むと一名しか残らなかった。

独身者に絞ったのは、今回の任務が命の危険を伴うと判断したからであった。

その一名に残った者の名は石原重保と言い、戦闘機の搭乗経験が二年と、宇宙調査船のパイロット経験が七年あり、年齢は三十三歳で、今回の任務には最適な人物であろうと思われた。

ただちに最終的に絞り込まれた重保が、現在どこに居るのか調査が行なわれると、どうやら彼は富山県の実家に帰っているらしくて、その実家に連絡を入れた。

すると重保が応対に出たので、理由を述べて、宇宙戦闘機への搭乗を依頼したところ、彼は、何も躊躇することなく、地球の人々の為に働けるならと快諾してくれたのであった。
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