「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
一ヶ月ほど滞在していたが、目的が火星の復興であり、観光などは、する暇がほとんど無かったが、それでも滞在中に太陽系最大の火山であったオリンポス山やマリネリス大峡谷の雄大な景色などを見て、感激したりした。

一ヶ月がすぎて、日本、アメリカ、フランス、オーストラリアの調査隊は月面基地で月面調査をしてから地球へ帰還する予定で、それ以外の調査隊は直接、地球へ向かって帰還の途についた。

やがて火星を発った調査船が月面基地に到着して、その翌日、直と郁江は由紀たちに電話をしたのであった。




その頃、地球連合本部では、火星で調査した合同調査隊から、随時送られてきていたデーターの解析作業を急いでいた。

地球連合本部の事務総長である李は、無機物生命体により、地球上の施設や平和維持軍がダメージを受けたことに多大な責任を感じてはいたが、今は復興させるのが急務であり、ほとんど休まずに働き続けていた。

無機物生命体との激闘や、その後の地球や火星の復興作業で心身ともに酷使してきた故であろうか、一時、疲労から二週間ほど入院をしていた。

退院後も、わが身に鞭打ち仕事をこなしていたが、心身の疲労が原因のひとつであろうか、頭髪が、めっきり白くなっている。

しかし李は、弱音を吐くことも無く、合同調査隊から送られてきたデーターを基にしての、火星復興計画の策定にも陣頭指揮にあたっていた。
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