「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
誰もが感嘆の声をあげて、感激している。

気がつくと、港を同時に出港した、もう一隻の船も近づいてきている。

その船上からは、客たちの歓声が聞こえてくる。

とにかく鯨はすごかった・・・

見ることができて、大感激であった。

由紀たちは港に帰ってきて、上陸してからも鯨の話ばかりしていた。

港まで戻ってくる途中で船長が、マッコウ鯨は、今回見た鯨よりも、もっと大きくて、信じられないくらいの大きさなのだが、滅多に見られないのだと話していた。

由紀たちがお婆ちゃんたちと合流した室戸や宇佐の港から、客があれば、マッコウ鯨見学の船が出ているらしいと言っていたが、見られる確率は低く一ヶ月に五回前後くらいではないかという話しであった。

みんなは、マッコウ鯨も、いつかは見てみたいものだと言い、そのうち行ってみようなどと話している。

十二時を過ぎて、お腹が空いていたが、四万十市まで行けば四万十川で獲れた天然ウナギや川魚の料理屋があるので、そこで食べようと車を走らせた。

鰻料理を食べながら鯨の話をしていると、隣の席で食事をしていた地元の人が、四万十川の河口にも鯨じゃないけどアカメという大きな魚がいて、人を飲み込んだ話もあるのだと教えてくれた。
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