「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
理絵と勇太は、いつもの由紀の調子であると、顔を見合わせて、笑みを浮かばせた。
勇太の運転する車の前を走っている真知子お婆ちゃんが運転している車の中では、芙美子お婆ちゃんが
「まさかとは思うけど、アカメの話は怖かったわねぇ。地元の人も話すのが上手で自分が見たように話すから、けっこう怖かったわ」
と言うと、紀恵お婆ちゃんが
「いくらなんでも、どんなに大きな魚でも、人を飲み込むことは、できないと思うけどねぇ・・・鮫ならともかく」
言いながら、走る車の窓から外を見て
「ちょうど四万十川の河口だから、今頃、由紀さんが川を見て怖がっているわよ」
と言い
「でも人食いアメゴの話を今頃するとは思ってもいなかったわ。地元の人も返事に困っていたみたいだったわね」
と言うとお婆ちゃんたちは
「ほんと、ほんと、由紀さんらしいわ」
と言って、声を上げて笑った。
四万十川の河口から僅かに進んだ所で、小山に大という文字が見えるのに理絵は気がついた。
「あそこに見える、大の字が書いてある山って、京都の大文字の送り火を真似ている山じゃないの。確か、案内本に、そんな山があるって書いていたと思うけど」
勇太は運転をしながら
「そうだよ。四万十市は昔、戦を逃れて京都から来た関白の・・・誰だったけ・・・」
勇太の運転する車の前を走っている真知子お婆ちゃんが運転している車の中では、芙美子お婆ちゃんが
「まさかとは思うけど、アカメの話は怖かったわねぇ。地元の人も話すのが上手で自分が見たように話すから、けっこう怖かったわ」
と言うと、紀恵お婆ちゃんが
「いくらなんでも、どんなに大きな魚でも、人を飲み込むことは、できないと思うけどねぇ・・・鮫ならともかく」
言いながら、走る車の窓から外を見て
「ちょうど四万十川の河口だから、今頃、由紀さんが川を見て怖がっているわよ」
と言い
「でも人食いアメゴの話を今頃するとは思ってもいなかったわ。地元の人も返事に困っていたみたいだったわね」
と言うとお婆ちゃんたちは
「ほんと、ほんと、由紀さんらしいわ」
と言って、声を上げて笑った。
四万十川の河口から僅かに進んだ所で、小山に大という文字が見えるのに理絵は気がついた。
「あそこに見える、大の字が書いてある山って、京都の大文字の送り火を真似ている山じゃないの。確か、案内本に、そんな山があるって書いていたと思うけど」
勇太は運転をしながら
「そうだよ。四万十市は昔、戦を逃れて京都から来た関白の・・・誰だったけ・・・」