「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
関白の名前を思い出そうとするが、思い出せない。
仕方なく
「名前は忘れたけど、とにかく、その関白さんが町造りをしたらしくて、京都の町を懐かしみ、京都を真似て造ったらしいよ。だから四万十市の町並みも碁盤の目のように整備されていて、大文字山もあるってわけだよ。なんでも四万十市は土佐の小京都って呼ばれているらしいよ」
と説明した。

勇太は学生時代に土佐一ヶ国巡りで来た時に、四万十市で泊まった経験があり、その時に仕入れた情報であるが、関白の名前までは忘れてしまっていたのである。


四国最南端の足摺岬に向かって、どんどん南下して行く。

途中で名産を並べている道の駅に立ち寄ったり、土佐備長炭を売っている店を覗いたりしたので、足摺岬までは、それなりに時間が掛かり、ホテルに到着したのは午後五時前であった。

三十八番金剛福寺へは、明日参拝することにして、六人はホテルに入った。

ホテルに入る時、理絵は頬にポツリと雨が懸かるのを感じて、空を見上げると雲が厚くなっている。

今日は天気が持ってくれて、鯨も見れたし、良かったと思いつつロビーに向かって歩いて行く。

今夜の夕食は、鯨とアカメの話で盛り上がりそうである・・・
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