「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
まず補佐官が、現在の火星の復興状況を話し、次に直や郁江も同行した火星の合同調査のデーター分析について、現在の進捗状況を話した。

合同調査の詳しい結果報告と解析作業については、午後から始まる会議において科学者から発表されるであろうが、どのようなデーターが集まっているかの概要だけを説明してゆく。

打ち合わせをしているうちに、午前九時半が過ぎて、午前十時からは科学者が昨日発見された彗星について発表することになっていて、その発表の模様をモニターで見ようと、打ち合わせを切り上げて、モニタールームへ向かった。

午前十時過ぎ、予定よりも、やや遅れて、新しい彗星が発見された事実を、科学者と天文学者の二名がならんで発表を開始した。

新彗星発見の発表については、特別に重要な発表では無いとして、今朝九時に連合本部に常駐している記者たちに、十時より新彗星発見の発表を行なうとだけ伝えているので、集まっている記者たちの数は、そう多くは居ない。

科学者たちは彗星が発見された時刻とか経緯を、彗星の映っている映像を見せながら、粛々と事実のみ公表してゆく。

発表は二十分ほどで終了して、発表を終えた二人が席を立とうとすると、一人の記者が質問を始めた。

「無機物生命体が来襲した時に小惑星群だとの思い込みがあったように、彗星が無機物生命体である可能性は無いのでありましょうか」
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