「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
質問に対して科学者は
「ただいま、あなたが質問されたように、私どもも無機物生命体の可能性があるのではないかと、強い関心を持って調査しておりますが、現在のところ限りなく百パーセントに近い確率で、彗星で間違いないと考えております」

「しかし、もしかすると、という不安が拭いきれないので、追跡調査を継続中であります」と答えた。

その後も、今後の軌道や速度などの質問が出たが、現在は調査を継続中であり、詳しい結果は数日中に判明するであろうから、結果が出次第、発表するので、それまで待ってくれるように伝え、発表を終えた。

李がモニターを見ている限るにおいては、無機物生命体を小惑星群だと見誤った時と違い、今回は彗星が一個だけであり、飛来してきているコースも、やや方向が違っていて、条件が前回の無機物生命体来襲の時とは、違っているので、記者たちも不安視している者は少なそうだ。

そうかといって、全く安心している訳ではなく、少々の不安感は持っているのであろう。

なによりも、李自身が不安であり、まさかとは思うが、無機物生命体で無いことを祈っている。

李は正午からのニュースで、どのような反響が出ているのかを見ようと思い、それまでに食事を終えておこうと、早めの昼食を取りに部屋を出て行こうとした時、アメリカ合衆国大統領のジェラルディーンから、日本の副首相である笹田を伴って、連合本部を夕方訪れたいという連絡があった。

笹田は数日前に、環太平洋地域の今後の協力関係などの話し合いの為に、ワシントンに来ていて、明日、帰国の予定である。
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