「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
幾つかのニュースが流れていく中、新彗星の件は大きなニュースとしては取り扱っておらずに、淡々と事実のみ報道されて、これならば一般市民も不安感を持つこともないであろうと安心した。

午後一時になり、火星復興計画策定会議が始まった。

この会議には安全保障会議のメンバー国から二十ヶ国とそれ以外の国から十ヶ国との計三十ヶ国と科学者や技術者からなっている。

最初に現在の復興状況の分析が行なわれ、次に火星から送られてきていた合同調査隊のデーターが整理され、地形から考えられる基地建設の適合性や鉱物資源の有無、地質や地層、気象や気温、大気の組成から地下の永久凍土の分析、など細かく分類されている。

そして、ひとつ、ひとつの項目ごとに、どのようなデーターが届いていて、今後分析結果が出た後、どのように活用してゆくかが報告された。

休息を挟み、科学者が送られてきているデーターの、これまでの分析結果を報告する。
それによると、直が送ってきた情報の中に、有望な鉱脈が存在する可能性がある事や、細かな地形分析から、どのような種類の基地を何処に建設するべきかの検討が行なわれている事柄などが話された。

技術者からは気象などの自然条件の情報から、基地や入植地の建設場所の有望地が、何処であるかの説明や、現在、我々が地球や月面基地で使用している建設機械や機器、建設ロボットなどで火星の自然条件に適した使用可能な適合性を調べて輸送の準備中である事、現在、火星で使用されている機材の改良や量産性の向上に着手している事、火星の条件に最適の機材やロボットの今後の開発予定などについて説明があった。
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