「金剛戦士Ⅱ」西方浄土
二人は、もっともな話であると相槌を打つ。

「私のような立場の者が言うのには、少々恥ずかしい話なのですが、二人だから、お話をすると、実は眠っていても夢に見るほど、気になってしまうのです。以前の経験が頭から離れずに、トラウマ状態になっているのかも知れませんが、とにかく早く、無機物生命体では無いと、はっきりとした結論が出せればよいのですが・・・」

とここまで話して、李は
「いや、つまらない話をして申し訳ない」

「個人的な話をしてしまい、すまなく思います。今の話は、聞かなかったことにしておいて下さい」
と言った。

話を聞いていた笹田は
「確かに以前の無機物生命体との来襲の時には、体力的にも精神的にも苦しみましたからねぇ・・・私も彗星が発見された報道を聞いて、すぐに無機物生命体を思い起こしました。なかなか不安を払拭するというのは難しいですねぇ」
と李をかばった。

そんな話を聞いていた、ジェラルディーンが

「唐突な話ですが、彗星であろうとなかろうと、核ミサイルを発射して、ぶつけてみるというのは、どうでしょうか。確か、時限式の核ミサイルが残っていましたよねぇ。それを使用して破壊するという考えは、どう思われますか」

「彗星が破壊される前にミサイルが無力化されれば、彗星は無機物生命体であると判明しますし、命中しても一個の彗星が破壊されるだけであります。どうでしょうか李総長」
と李に質問すると
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