恋。



朝がきて、
顔をあらって、
歯磨きをして、
着替えて、


朝ごはんを食べる間もなく家をとびだした。


そして
毎朝、
同じ時間、
同じ場所で

健二に出会い、

挨拶をかわす。






「ねー!未紅!」


「何?」


「未紅って宮野って人が好きなの???」


「はぁあぁ!!!?」



歌奈に言われて、
思わず図太い声が出た。

ありえないありえない


そう軽く流した。


でも、
私も、

そうなのかなって思ってた


でも、
やっぱり違うって思い直す。



でも、でも、


でもっ、



好き・・・?



好きだったら・・・・
どうするの?

言うの?


んー・・・






別に、
ただ見てるだけ。

だから、

‘恋”でも、‘恋”じゃなくても、
どっちでもいいかなって



いまはそう思ってる。

もし好きって伝えたいときがくるなら、
伝えればいい。そうおもってる。


好きって伝える・・・


・・・・・・告白かぁ。




「みぃくぅぅ!!!」


「ひぁあああ!」


いきなり
健二の声と、
健二の顔が現れた。


「そんな驚くなよ!」


笑いながら言う健二。


「何よ!」


それに対して怒った口調で返すわたし。


「歴史の教科書かして!」


えー。

やだよ!


「はい」


心の中でそう思ったけど、
なぜか貸しちゃう・・

健二の笑顔がみたい。



「さんきゅー!!」


あっ・・・

満面の笑み。



わたしもつられて、


笑った。
















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