恋。




今日も特に何もない1日



だからテンションも普通だし、
思いっきり慌てたり喜んだりということは


まったくなかった。







今日までは。





私は「帰宅部」という部活に入っていた。

他の部活に興味はなかったし、
面倒くさかった。



でもなぜかみんな
スポーツだか、
楽器だかに熱心に取り組みたいらしく、


帰るときは私一人だ。





淋しくも、
虚しくもなかったが、


もちろん
嬉しくも、
たのしくもなかった。


いつものように
一人で鼻歌を歌いながら帰る私は、



ふと足元を見た。



キラッと光るものがある



しゃがんで
光るものをつまんで目の前にもってくると


正体がわかった



100円だった。


「ラッキー♪」

そうつぶやいて
100円をポケットに入れた。



すると



「俺の。」




後ろから聞いたことの無い声がした。






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