一通のメールから始まる恋
しばらくすると友人たちが教室に入ってくるのが見えた。

『場所取りご苦労。もう風邪は平気か?』

『バッチリだよ。』

そう言ってボクの隣に座り込んだ。

『実は話があるんだよね…。』

意味ありげに言ってみた。
『何?何?彼女でもできた?』

さすがに長い付き合いだけあって興味があるのだろう。

ボクは2日続けて同じ時間にきた奇妙なメールについて話した。

『で、どう思う?』

『そんなん、返事するのが当たり前でしょ?』

友人たちが声を揃えて言った。

『出会いのチャンスじゃん!』

『だってなんて返事するの?』

『まずは名前と写メでしょ?』

『男かも知れないじゃん!』

『それはそれでいい出会いかもよ(笑)』

友人たちは他人事だと思っておもしろがっていた。
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