一通のメールから始まる恋
帰り道がとても短く感じた。

いつもの公園に車を止めた。

『今日の夜に少し会えたら会おうね。』

アキは軽く頷いたが、下をむいたまま車から降りようとしなかった。

『どうしたの?』

アキの顔を下から覗き込んだ。

『チュッ。』

アキからキスをしてくれたんだ。

アキのあまりに突然のキスにも驚いたが、アキからと言うことが何よりもうれしかった。

アキは恥ずかし車の荷物を下ろして、大きく手を振りながら消えていった。

『ヤッター!』

思わず叫ばずにいられなかった。

そのくらいうれしかったんだ。

この時のボクはアキが話せないことなんて忘れるくらいだったんだ。

そしてボクらには、言葉なんていらない、そう思えたんだ。
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