灯火
コンビニ付近まで歩いてくると流石に汗が額を伝い流れていた。

まだか?

辺りを見渡したが健二はいない。

コンビニに目をやると中で涼しげに雑誌を読んでいる彼がいた。

外から呼ぼうと思ったが暑さに参り、自分も店内に入った。

クーラーの涼しさを体全体に感じながら健二の隣に並び雑誌を手に取り開く。

興味もない雑誌をペラペラとワザと音をたてながら目を通す真似をし、一冊めくり終えようとした時、健二がチラッとこっちを見たのが視界に入った。

「…お前さぁ、来たんなら声かけろよな」

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