灯火
真剣に悩んだと思えばツッコミは外さない健二。

「じゃあさ!好きな子とかは?」

うっかり話がそれると思っていたのに直ぐに軌道修正される。

「…別に」

「昔も今も?」

「…うん」

丁度そこへ『う~ん』と何故か悩む健二の料理が運ばれてきて、彼は上の空のままタバコを消しに割り箸を手に取った。

「告白されたことはあるだろ?」

「…ある。でも…」

「OKした事はないと」

正直に頷く。

俺の料理も運ばれてきて定員が丁寧に膳を置き、お辞儀をして去っていった。

再び悩みはじめた健二を放っておき、俺はさっさとご飯を食べ始める。

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