灯火
ようやく食べ終わり食後の一服。
他愛もない会話が途切れた時、いつにもなく真剣な面もちで健二が話しはじめた。
「俺はさ、恋愛は考えるながらする事じゃないと思うわけよ」
俺は黙ってそれを聞く。
「よく言うだろ。頭で考えるより前に体が動くって。まさにそれよ!」
ズビッとタバコで俺を指した。
「お前にもいつかくるよ!感じたまま動く…そんな時が」
「どういう意味?」
「ん??蓮見が気づかないだけってこと」
ヘラっと笑い伝票を持つと『出ようぜ』とまた先にいく。
腑に落ちなかった。
何故突然こんな話をするのか。
でも聞く事も出来ず。