灯火

健二にお礼を言い『フライングはするな』と釘をさし店の前で別れた。

傾きかけた夕日を背にアパートに向かって歩きながら、健二に言われた事を考える。

どこがどうとかじゃなく全てに。

考えても解るはずもなくスッキリとしない。

ポケットに手を入れると携帯電話に触れた。

無意識に取り出し、昼間同様に開いて中を確認するが、やはり同様に変化はない。

同じ事を繰り返す自分の姿に鼻で笑った。

携帯電話を閉じ家路をのんびりと歩く。

アパートに着きポケットにあるものを全て出しテーブルに置き、エアコンを付けそのままベッドにダイブ。

深い眠りにゆっくりと落ちていった。


< 29 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop