灯火
健二にお礼を言い『フライングはするな』と釘をさし店の前で別れた。
傾きかけた夕日を背にアパートに向かって歩きながら、健二に言われた事を考える。
どこがどうとかじゃなく全てに。
考えても解るはずもなくスッキリとしない。
ポケットに手を入れると携帯電話に触れた。
無意識に取り出し、昼間同様に開いて中を確認するが、やはり同様に変化はない。
同じ事を繰り返す自分の姿に鼻で笑った。
携帯電話を閉じ家路をのんびりと歩く。
アパートに着きポケットにあるものを全て出しテーブルに置き、エアコンを付けそのままベッドにダイブ。
深い眠りにゆっくりと落ちていった。