灯火
ハジマリの日 ーSIDE 美和ー
私を目覚めさせたのは眩い光だった。

あまりにも眩しくて目を開けずにはいられない。

『起きて』

そう誰かに言われている様だった。

従うように瞼をひらく。

身体を起こし周りを見渡して、ここが自分の部屋だと確認する。

開きっぱなしになっているカーテン。

窓に近づいて外を見ると毎日ランニングをする男性が通り過ぎていった。

変わらない日常の風景。

その姿を見届け妹の美月の部屋に行くと、美月は布団の中ではなくベッドに頭だけ伏せて寝むっていた。

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